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フルハーネス講習の4つの受講方法|Web講習の注意点についても

2021年5月13日

2019年からフルハーネスの講習が義務化されました。

フルハーネス使用者(詳細は後述)が講習を終了することなく、フルハーネス着用の必要がある業務にあたるのは法令違反となります。

この記事ではフルハーネスの講習を受ける4つの方法と、Webでの受講に際しての注意事項について紹介します。

フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育とは

フルハーネスの講習とは「フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育」といい、墜落による労働災害防止を目的とした講習です。

フルハーネスを含む墜落制止用器具に関する知識や労働災害の防止に関する知識など学科科目4.5時間のほか、実際にフルハーネスを使用して使用方法の確認など実技科目1.5時間、全行程で6時間となります。

区分 講習科目 所要時間
学科① 作業に関する知識

1. 作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法

2.   作業に用いる設備の点検及び整備の方法

3.作業の方法

 

 

1時間

 

 

学科② 墜落制止用器具に関する知識

1.   墜落制止用器具のフルハーネス及びランヤードの種類及び構造

2.   墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法

3.   墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法

4.   墜落制止用器具の点検及び整備の方法

5.   墜落制止用器具の関連器具の使用方法

 

 

2時間

 

 

学科③ 労働災害の防止に関する知識

1.墜落による労働災害の防止のための措置

2.落下物による危険防止のための措置

3.感電防止のための措置

4.保護帽の使用方法及び保守点検の方法

5.事故発生時の措置

6.その他作業に伴う災害及びその防止方法

 

 

1時間

 

 

学科④ 関係法令

・安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項

 

 

0.5時間

 

 

実技

 

墜落制止用器具の使用方法等

1.墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法

2.墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法

3.墜落による労働災害防止のための措置

4.墜落制止用器具の点検及び整備の方法

 

 

1.5時間

 

 

出典:厚生労働省『安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!』

とはいえ全員が6時間分きちんと受けなくてはならないわけではありません。

人によっては科目ごとに省略可能です。

省略できる条件と、省略可能な科目は以下のとおり。

  • ・フルハーネス型を用いて行う作業に6月以上従事した経験を有する者:学科①、学科②、実技
  • ・胴ベルト型を用いて行う作業に6月以上従事した経験を有する者:学科①
  • ・ロープ高所作業特別教育受講者または足場の組立て等特別教育受講者:学科③

条件は組み合わせも可能です。

つまりフルハーネス型を用いて行う作業に6月以上従事した経験を有する者で、さらにロープ高所作業特別教育受講者または足場の組立て等特別教育も受講済みであれば、学科④のみの受講でOKということに。

フルハーネス講習が義務化されている対象者

フルハーネス講習の対象者は、フルハーネスの使用が必要な作業を行う人全員です。

フルハーネスの使用が必要な作業とは「高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおける作業」を指します。

 

具体例としては以下のとおりです。

  • ・電柱や通信柱などの柱上での作業
  • ・送電線の架線作業
  • ・作業床とみなされない急勾配(勾配6/10以上)での屋根上作業
  • ・梁や桁上での作業
  • ・足場の組み立て、解体作業

 

反対に2メートル以上の箇所であっても作業床が設置されている状況でしか作業をしない場合には、フルハーネス使用の必要はないため、講習の必要はありません。

ただ一度講習を受けておくと、現場で「講習を受けた人が動けず、講習を受けていない人しか空いていないため作業が止まる」といった制限がなくなります。作業の可能性がある人は全員受けておくのが無難でしょう。

 

フルハーネス型安全帯講習の受講方法と特徴

フルハーネス型安全帯講習の受講方法は以下の4つです。

  • ・会場での受講
  • ・出張講習会を受ける
  • ・自社で講師を養成し、自社で開催する
  • ・Webで受講する

以下、それぞれの特徴や料金について紹介します。

会場での受講

会場で行われる講習の受講方法は、1名からの少人数でも申し込めるのが特徴です。

次の5つあれば、全国の複数箇所で講習を行っています。

 

 

まずはこれらからお近くの会場を探してみましょう。

 

出張講習会を受ける

会社に外部の講師を派遣して講習会を開いてもらう方法です。

現在出張講習会は以下の団体から申込可能です。

講習の内容としては会場で受講する方法と同様ですが、会場に足を運ばなくていい分大人数で受講する場合には出張講習会のほうが有利です。

 

しかし出張講習会の申込みは人数が少ないと不利になるデメリットがあります。

たとえば労働技能講習協会では「原則20名以上」の人数制限があります。

また中小建設業特別教育協会では一人からでも申込可能ですが、50人まで一律である講習費用が一人であってもかかってくるため割高になってしまうのです。

 

会社の立地にもよりますが、20人以上を目安に出張講習会を検討しましょう。

 

自社で講師を養成する

特定の講習を受けることで、誰でもフルハーネス型安全帯講習の講師ができるようになります。

厚生労働省によるとフルハーネス型安全帯講習の講師に特定の資格は不要で、特別教育の科目について十分な知識、経験を有していれば問題ないとしています。

以下の団体が講師養成講座を開催しているので確認しましょう。

 

Webで受講する

フルハーネス型安全帯の講習をWebで受ける方法もあります。

講習をオンラインで受講するメリットとしては以下のとおりです。

  • ・日時や場所に制限がない
  • ・自分のペースで受講可能
  • ・人と接触する機会を減らせる
  • ・移動の経費や時間を減らせる

 

この中でも大きなメリットとしては、自分のペースで受講可能なことでしょう。通常のオフラインの対面で受講する場合、6時間もの時間受講することになります。

集中力が人によってまちまちであるため、同じ講義を受けても習得率に差が出やすくなってしまいます。

 

しかしオンラインでの受講であれば、ひと講義ごとに十分な休憩を取る、講義ごとに日を分けるなど個人に合わせたペースで受講できるので、習得率が揃いやすくなるのです。

 

対してオンライン受講のデメリットは以下のふたつです。

  • ・実習作業は別途オフラインで行う必要がある
  • ・倍速再生は不可能なので、時間短縮の効果はない

まず実習作業について、Web上で閲覧可能な動画にて解説されることも多いですが、1.5時間分の実習は別途行う必要があります。

オンラインで完結するわけではないことに留意しましょう。

また倍速再生が不可能である理由は、倍速再生に対応することで厚生労働省が定める「インターネットその他の高度情報通信ネットワークを利用して行う通信 制の職業訓練等」の定義に当てはまらなくなる可能性があるからです。

 

フルハーネスのWeb講習での注意点【無効になることも】

フルハーネスの講義をWebで受けることに際しての注意点は、以下の4つです。

  • ・所定の要件を満たす時間であること
  • ・講師や監修者の知識や経験が豊富であること
  • ・受講者が確実に受講したことを担保できること
  • ・実技教育が講師と同じ場所にて対面で実施していること

これらが満たされない場合、最悪講習の受講自体が無効になってしまうことがあります。

 

所定の要件を満たす時間であること

厚生労働省発表の「インターネット等を介したeラーニングにより行われる特別教育の当面の考え方等について」によると「eラーニング等の教材の閲覧・視聴等による教育時間が、各特別教育規程に定める時間未満であるものは認めない」という趣旨が記載されているのです。

つまり受講時間こそが重要。倍速再生をして効率的に学習をすると、その分時間が担保されないので所定の時間を満たせないのです。

 

フルハーネスWeb講習では、倍速再生に対応していない講義形態の講座を選びましょう。

講師や監修者の知識や経験が豊富であること

講師や監修者の知識や経験が豊富である必要があります。

もちろん上記の通り、講師には特定の資格が必要なわけではありません。

とはいえ講習紹介ページなどにて「十分な知識や経験を有しております」などの文言があると安心です。

 

受講者が確実に受講したことを担保できること

受講者が確実に受講したことを証明できないといけません。

つまりオンラインであることをいいことに、動画講義の再生ボタンを押したままパソコンやスマホから離れられるような仕組みであってはならない、ということです。

たとえばSATのフルハーネス型墜落制止用器具特別教育【顔認証】では、スマホやパソコンのカメラを使って定期的に撮影を行い確実な受講を担保しています。

また中小建設業特別教育協会のオンライン講習(WEB講座)では「事業者(又は監督者)の監視の元で行い、終了後事業者による「教育実施証明書」を提出頂ける方のみご受講頂けます」という注釈がついています。

 

技教育が講師と同じ場所にて対面で実施していること

「Web受講のデメリット」でも紹介したとおり、実技教育は講師と同じ場所同じ時間で、対面で行う必要があります。

よってWeb受講といってもオンラインで完結できるわけではありません。

このデメリットはどのWeb講座を受けても同じ要領となります。

 

フルハーネスのWeb講習一覧

オンラインで受講が可能なフルハーネスの講習を一覧で紹介します。

団体名 講座名 料金 HP
SAT フルハーネス型墜落制止用器具特別教育【顔認証】 10,780円 https://www.sat-co.info/ec/hanesu
中小建設業特別教育協会 オンライン講習(WEB講座) 要問い合わせ https://www.tokubetu.or.jp/online.html
斉藤商会 フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 7,700円 https://www.saito-syokai.com/training/
総務の窓口 フルハーネス型墜落制止用器具

特別教育講習会

7,700円 https://soumu-madoguchi.co.jp/training-session
安全・技能推進協会 スマホで受講できるフルハーネス型墜落制止用器具特別教育講座 9,800円

(執筆現在、特別キャンペーン価格:8,150円)

https://sasp.jp/wp/?p=162

 

フルハーネスの大量購入はハーネスプロがお得

フルハーネスの講習を受ける方法は以下の4つです。

  • ・会場での受講
  • ・出張講習会を受ける
  • ・自社で講師を養成し、自社で開催する
  • ・Webで受講する

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、この記事を参考にして自社にあった方法を選びましょう。

ちなみにハーネスプロでは、2022年1月2日から着用義務の新規格適合品を多数取り揃えています。

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